農村の生活と “強い個人”   調布市議会議員 ドゥマンジュ 恭子
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2008 年 2 月 12 日    
農村の生活と “強い個人”  
〜哲学者内山節さんのお話しと、結びついた!〜

 連休になった2月の週末は、長野県大町市から山の中に入った美麻というところでクロスカントリースキーをしてきました。遠くにアルプスを望み緩やかな丘が連なったこの場所は、春には一面に菜の花の黄色で埋め尽くされます。2008年の「菜の花サミット」はここで開かれるとのこと。
  前日から降り続いた新雪が積もった斜面には、ウサギの足跡がついていました。膝まで埋まってしまうぐらいの雪でしたが、スキーを履いていればどこへでも行けます。かかとが自由でエッジのないクロカン用のスキーには慣れていないので、滑り降りるときは直滑降しかできず、かなりスリルがありました。大自然の中でリフレッシュした一日でした。
 美麻の隣の八坂では、昔からの風習が受け継がれていて、地域内のケーブルテレビでその模様が放送されていました。「筒粥占い」は年明けのこの時期に行われます。葦をすだれのように何本も編んだものを束ね、米と小豆と一緒に炊いて、葦の筒の中に入った米と小豆の様子で今年の農作物などの出来を占います。
 また、大町市では上杉謙信が敵の武田方に塩を送った故事にちなんだ「塩市」から転じた「あめ市」が開かれ商店街には甘酒のふるまいや、露店がたち賑わっていました。
 駅前の広場では、八坂の獅子舞が披露され、大人たちに混じって小中学生も、太鼓や笛を演奏したり、獅子の頭を担当していました。こうして地域の伝統文化が代々続いてきてるのを感じました。

 先日行われた東京・生活者ネットワークが企画した講演で、哲学者の内山節(たかし)さんは、『日本の農村は自然を神とした精神社会の中で、地域的な自治機能を持ち、自然に対しても社会の問題にも協力して対処していた。それにより、自分に対しても自信が持てる“強い個人”としていられた。しかし、現在の都市化した社会では一人一人がバラバラにされ、自己責任が問われ、自己防衛的になり個々は弱くなる。
 都市と農村が相互補完的な機能を持ち、全体として社会が形成されるのが理想だけれど、今の日本にはそうした国土計画がない。都市社会ではいろいろなテーマで(NPOなども)結びつく関係を底辺につくっていく仕組みが必要。」とおっしゃっていました。
 
 私は、時々訪れる八坂に暮らす方たちが持っている生活の技術、知恵の深さにはいつも尊敬の念を覚えます。また、この方たちの人としての穏やかな豊かさはどこから来るのだろうと思っていたので内山さんの明解なお話には何度もうなずいて聞き入ってしまいました。そして生活者ネットワークとしての結びつきも、今の日本、地域社会にとって必要なんだという思いを強くしました。




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